業務
労働者災害補償保険 意義
- そもそも労働者災害補償保険(労災保険)とは?
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使用者は、労働者の業務上災害に対する補償につき、労働基準法(労基法第8章)上、過失の有無を問わず、責任を負います(使用者の無過失責任主義)。
ただ、その際、資金力がなければ、使用者は労基法上の補償責任を果たせず、大変な事態となります。
そこで、国は、労働者1人でも使用すれば一部を除いて法律上当然に加入する労働災害保険制度を運営することで、使用者が労働者に対する労働災害補償責任を全うできるようにしました。
なお、労災保険では、労基法上補償の対象ではない通勤災害についても、ある程度不可避的に生じる社会的危険があるなどとして、労災保険の対象となっています。
したがって、労災保険は、使用者の労基法上の補償責任を基礎としつつ、通勤災害も含めるなど広く労働災害の保険給付の支給を行い、ひいては社会保障を目的としている制度です。
- 労災保険給付の種類は?
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労災保険給付等には、「療養(補償)給付」、「休業(補償)給付」、「障害(補償)給付」、「遺族(補償)給付」、「葬祭料(葬祭給付)」「傷病(補償)年金」等の種類があります。
- 労災保険給付の効果とは?
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労災保険給付が行われると、使用者の労基法上の補償責任が免責され(労基法84Ⅰ)、さらに、その限度において民法上の損害賠償責任が免責されます(労基法84Ⅱ)。ただし、損害の種類によって、労災保険給付の補填と認められず、免責されない場合もあります。
労災保険は、原則として労働者1人でも使用すると、法律上当然に加入となりますが、労災保険給付による補填を受けるには保険料の支払い、「労働保険 保険関係成立届」 「労働保険 概算保険料申告書」等の「新規成立手続」が必要となります。
雇用保険 意義
- そもそも雇用保険とは?
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雇用保険とは、少子高齢化による労働人口減少、介護の増加、次代を担う世代の健全な育成の必要性を背景に、高齢期や育児・介護休業による賃金低下等による失業の回避、仕事と育児又は介護の両立、労働者の能力開発・向上、また失業者の生活保障及び就職促進等を図ることを目的として、「失業等給付」、助成金の支給等の「雇用安定事業及び能力開発事業」を行う制度です。また、労働人口減少すなわち労働力減少等は企業の利潤にも影響を及ぼす重要課題であるため、企業にとって、雇用保険制度の役割は重要なものといえます。
- 失業等給付の種類とは?
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失業等給付は、①失業者の生活安定を目的とする基本手当等の「求職者給付」、②失業者の再就職の促進、援助を目的とする就業促進手当等「就職促進給付」、③労働者の能力開発等を目的とする教育訓練給付金の「教育訓練給付」、④育児(又は介護)休業給付、高年齢雇用継続給付の「雇用継続給付」の4種類に大別することができます。
「失業等給付」「各種助成金」という雇用保険制度を利用するためには、一定の要件のもと、「雇用保険適用事業設置届」等の「新規適用等の手続」が必要となります。
社会保険 新規適用業務内容
社会保険とは
社会保険とは、健康保険及び厚生年金保険のことをいいます。
健康保険 意義
- そもそも健康保険とは?
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健康保険とは、被保険者の業務外事由による疾病、負傷、もしくは死亡又は出産に関しての保険給付だけでなく、被扶養者の疾病、負傷、もしくは死亡又は出産に関しての保険給付も行うことで、被保険者及び被扶養者の生活の安定及び健康保持を図ることを目的とした制度です。被保険者及び被扶養者の生活及び健康の状態は、労働力及び労働密度の低下など企業の利潤に大きく影響を及ぼす事項であるため、企業にとって、健康保険制度の役割は、重要なものといえます。
- 健康保険給付の種類とは?
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健康保険給付には、診察等の「療養の給付」、やむを得ず診療費を自弁した場合の「療養費」の支給、療養期間中の所得保障のための「傷病手当金」、出産の直接的費用を補償する「出産育児一時金(家族出産育児一時金)」、産前産後休業間の所得保障のための「出産手当金」、医療の長期化等で療養費が多額になり経済的に今後の受診に影響が出るなどの受診の抑制を回避するため「高額療養費」等があります。
「健康保険給付」という健康保険制度を利用するためには、一定の要件のもと、「社会保険新規適用届」等の「新規適用等の手続」が必要となります。
厚生年金保険 意義
- そもそも厚生年金保険とは?
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厚生年金保険とは、労働者の老齢、障害、死亡について保険給付を行うことで、一定の年齢以降の老後の生活や障害を負った場合の本人及びその家族の生活、本人が死亡した場合の遺族の生活の安定を図り、それらの保険事故から生じる生活に対する被用者の不安を解消するための制度です。なお、上記保険給付は、国民年金給付に加えて支給されることとなります。そのため、「ヒト」を抱える企業にとっては、健康保険と同様に必要な制度といえます。
- 厚生年金保険給付の種類とは?
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厚生年金保険には、老齢に対しての「老齢厚生年金」、障害に対しての「障害厚生年金(又は障害手当金」)、死亡に対しての「遺族厚生年金」等の保険給付があります。
- 出産等に関する厚生年金保険の制度は?
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A1
健康保険と同様、厚生年金保険についても被保険者が産前産後休業期間中、被保険者負担分だけでなく、事業主負担分も一定の手続の下、保険料が免除されます。また、育児・介護休業法による満3歳未満の子を養育するための育児休業及び育児休業に準じる休業期間中も被保険者負担分だけでなく、事業主負担分も一定の手続の下、保険料が免除されます。免除期間について、将来の年金額を計算する際は、保険料を納めた期間として扱われます(産前産後期間等中の保険料免除制度)。
A2
健康保険と同様、産前産後休業終了後又は育児休業終了後も3歳未満の子を養育しているため、報酬月額が低下した場合、従前の保険料では負担が過大なものとなってしまうため、随時改定に該当しなくとも、それぞれの終了日の翌日が属する月以降3ヵ月間の平均報酬月額に基づき、4ヵ月目から一定の要件及び手続の下、改定することができます(産前産後休業等の終了時改定)。
A3
健康保険とは別に、厚生年金保険では満3歳未満の子を養育するため、勤務時間短縮等により報酬が低下した場合、それが原因で将来の年金額が減らないよう一定の要件及び手続の下、特例が設けています。その特例によりその養育期間については、保険料額は改定後の標準報酬月額に基づいて計算し、年金額は従前の標準報酬月額に基づいて計算されます(育児期間における従前標準報酬月額のみなし措置)。
「厚生年金保険給付」等の厚生年金保険制度を利用するためには、一定の要件のもと、「社会保険新規適用届」等の「新規適用等の手続」が必要となります。
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